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更年期障害で社会生活に支障をきたす人が増えているようです。
昔に比べて、更年期障害の症状が強く出るために、休職せざるを得なくなるような人がいるようですね。
ネットで検索すると、「更年期ロス」などというようです。
では、なぜ、このような人が増えているのだと思われるでしょうか?
また、「更年期障害」などという病名を使っていますが、ある程度病気に詳しい人は、「自律神経失調症」の症状に似ていると思われるのではないかと思います。
では、これらの違いはどこにあるのでしょうか?
整体師の視点からお伝えします。
更年期障害の症状
ホットフラッシュという言葉をご存知でしょうか?
当院にも体が急にほてりだし、汗が大量に出てくるホットフラッシュの症状をお持ちの方が来院される事がありますが、更年期障害と言えば、よく耳にする症状ではないかと思います。
ただ、それだけではなく、不安感、イライラ、憂うつ感などの精神症状を訴えたり、倦怠感、頭痛、めまい、吐き気、不眠、動悸などの様々な身体症状を訴える人もいます。
これらの症状は、「自律神経失調症」の症状と一致します。
自律神経は、脳の命令を体中の器官に送っていますから、自律神経失調症になる(自律神経が乱れる)と全身に様々な症状が現れる事になります。
また、ホルモンバランスと自律神経のバランスはお互いに影響を及ぼし合っています。
つまり、どういう事が言えるのかと言えば、更年期になり、ホルモンバランスが乱れれば、自律神経も乱れますから、「自律神経失調症」の様々な症状が出てくるという理屈になります。
それを、「更年期障害」と読んでいるわけですね。
ですから、厳密には違うと言われるかもしれませんが、更年期障害も、自律神経失調症と言えば、自律神経失調症と呼べるのではないかと思います。
ホットフラッシュの例を考えると、体温調節や汗の量を調節しているのは、自律神経ですから、自律神経が乱れて、ホットフラッシュが起こっているわけです。
なんでもかんでも自律神経失調症?
「更年期障害も、結局は、自律神経失調症か?なんでもかんでも自律神経失調症ではないか。」と、ある程度病気に詳しい方は考えられると思いますが、本当にその通りだと思います。
自律神経は、脳の命令を全身に送っているわけですから、これが乱れる事で、直接的、間接的に様々な病気の原因になると考えられます。
免疫力、自然治癒力を高めるために必要な事は何でしょうか?
血流、体を温かくすることなどは、常識的に理解されている事かもしれません。
私たちの体を作っている栄養素は、血液が運ぶわけですから、血流が悪化すれば、病気になりやすくなりますし、風邪などを引いた時に、体を温かくすれば、免疫力が高まり、回復が早まるようになります。
実は、血流や体温調節も自律神経がコントロールしています。
思いつく限りの様々な病気について考えてみてください。
多くの病気に影響を及ぼしているという事が納得できるのではないでしょうか?
薬は対症療法?
風邪について考えてみます。
風邪を引いた時に、熱を下げるために、解熱鎮痛剤を服用される方もいらっしゃると思いますが、そもそも、熱は、病原菌に対する抵抗力を高めるために、体が反応しているものですから、これを下げれば、抵抗力が下がることになります。
もちろん、熱を下げることによって、一時的に楽に感じることもあると思いますが、治療という意味では、真逆の事になっていたりするわけです。
また、根本的な治療になっていないわけですが、根本的に治してくれるのは、人間が本来持っている、自然治癒力であるわけです。
そして、それをうまくコントロールしているのが、自律神経ということになります。
この例を考えれば、薬では根本的な解決になっていないこと、それどころか、かえって病気の回復にとって悪影響を及ぼすこと、自律神経が影響を与える病気の幅広さが良く理解できるのではないでしょうか?
更年期障害の改善に必要なこと
当院に来られる方で、自律神経失調症の症状が楽になられる方が多くいらっしゃいますが、更年期障害の症状も楽になられる方が多くいらっしゃいます。
自律神経失調症に関しては、現在では、「首こり」が原因ではないかと言われる医師も出てきていますし、首こりからくるめまいを「頸性めまい」などと言ったりするようです。
また、何やら難しい名前が出てきましたね。
しかし、小難しい名称にごまかされてはいけません。
単に、「首こりからめまいが出ていますよ。」と言っているにすぎません。
つまり、首こりから自律神経が乱れ、めまいの症状が出ていますということになります。
これまでの話で、更年期障害と整体が繋がってきたのではないでしょうか?
更年期障害→自律神経失調症→首こり→整体
という風に繋がります。
更年期障害が増え続ける理由
更年期障害が増え続け、社会問題化してくる理由が見えてきたのではないでしょうか?
薬は基本的に対症療法です。
つまり、症状を抑えるのが目的であり、更年期障害を根本的に治すものではないわけです。
また、更年期になり、ホルモンバランスが乱れて、自律神経も乱れてしまうわけですが、こういった方は、そもそも、更年期になる前から、体の状態が悪く、自律神経が乱れがちだったとは考えられないでしょうか?
例えば、頭痛持ちだったり、慢性的な肩こりがあったり、不眠があったりなど。
それが、更年期になり、さらに自律神経が乱れることで、生活に支障が出るほどに症状が出てきたということは考えられないでしょうか?
こう考えれば、結局、多くの病気の原因は似たようなところにあり、それは、自律神経(血流、神経の伝達などの悪化)などに行きつくという事が言えるのではないかと思います。
病気を減らすために必要な事は何でしょう?
私たち国民一人一人が、他人のいう事や、マスコミ、権威などを妄信するのではなく、しっかりとした事実に基づいて、適切な判断ができるようになることではないかと思います。
日本の医療は、欧米先進国に比べて遅れています。
医療のあり方自体を根本的に見直さない限り、病気が減少に転ずるという事は難しいだろうと思います。