何らかの病気にかかり、入院して療養している時に、体調が悪化したという人がいらっしゃるようです。
入院まで行かずとも、自宅で寝込んだだけでも体調を崩してしまったという方もいます。
現在、体調を崩されている方で、似たような経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないかと思います。
なぜこのような事が起こると思いますか?
なかなか体調が回復せず、原因もよくわからないという方の原因の特定のためのヒントになるかもしれません。
療養で体調を崩す?
風邪で寝込んで6年間も朝起きられなくなった?
20歳の専門学校生の話です。
中学2年の頃、1週間ほど風邪で寝込み、その後、朝起きられなくなったといった方がいました。
20歳という事は、6年経っても、朝起きられないという症状を引きずっている事になります。
朝起きた時に、眠気や倦怠感などがあり、起き上がれないという事ですが、現在は、このような症状の原因として、首こりが考えられています。
首こりとは、首の筋肉の緊張という事になりますが、なぜ首こりが慢性化してしまったと考えれるでしょうか?
筋肉の緊張は、筋肉内に老廃物が蓄積する事で起こります。
つまり、筋肉の血流が悪化したことによって、老廃物を筋肉内から排出できなくなってしまっているわけです。
その引き金となったのが、風邪で寝込んだことによって、血流が悪化してしまった事だと考えられると思います。
人間は、体を動かしていれば、筋肉がポンプの役割をし、血流が促進されます。
長期間それが出来なくなれば、血流が悪化して、筋肉の緊張が慢性化する事につながるわけです。
不整脈の手術で頭痛が悪化
42歳の男性の話ですが、こちらも、手術で入院した時、つまり、ベッドで一定期間横になっている時に、片頭痛が悪化してしまったという事でした。
片頭痛は、自律神経の乱れが原因ではないかと考えられていますが、自律神経の乱れは首こりが原因と言われていますので、こちらも首こりが原因と考えられると思います。
つまり、先ほどの例と原理的には同様と考えられます。
体を横にして休むことは大切な事もありますが、これも諸刃の剣で、体調を回復するどころか、不調の原因になる事もありうるわけです。
横になっていたことだけが原因?
しかし、ある一定期間横になっていると、体調を崩してしまうなら、療養して横になっている期間が長い人は、誰でも体調を崩していると思います。
そう考えれば、横になっていることだけが、体調を崩した原因ではないと言えると思います。
結局、寝込むことで体調を崩してしまった人は、そもそも、寝込む前から、疲労が蓄積し、症状が出る一歩手前くらいの状態になっていたという事が言えると思います。
特に注意が必要なのが、運動後に寝込んでしまう事だと思います。
運動によって、疲労物質がたまってしまっていますが、その状態で寝込めば、血流が悪化したままの状態になり、疲労物質が筋肉内に蓄積してしまう事になります。
実際に運動後に寝込むことで、体調を崩したという人もいます。
この点は注意が必要な部分だと思います。
腰痛なども同様
腰痛や肩こり、膝痛、その他の体の痛みについても、筋肉の緊張が原因になっている事が多いと思います。
つまり、この場合も、横になっている事で筋肉の緊張が慢性化し、痛みの原因につながります。
入院して衰弱するお年寄り
これまでの話から、入院する事で、かえって衰弱してしまうお年寄りがいる理由が見えてきたのではないかと思います。
単なる捻挫からどんどん衰弱していってしまうというお年寄りなどもいるようです。
筋力などは、一度低下してしまうと、元の状態に戻すのに、かなりの時間と労力が必要になるようです。
若者であれば、努力次第では、元の状態に戻りやすいかもしれませんが、お年寄りになると、体の性質自体が変化し、筋肉がつきにくい、血流が悪化しやすい状態となっています。
入院する事、療養で長期間横になっている事、こういった事は、体にとっては毒になる可能性があるという事も理解しておくことが必要と思います。
そして、原因不明の不調を長期間引きずっている人の中には、発症したときに、同じような事があったという人はいないでしょうか?
原因を特定する一つのヒントになるかもしれません。