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日本では、カウンセリングなどと言うと、病気を治すために受けるものといったとらえ方をされている人もいるかもしれませんが、もっと身近であって良いものではないかと思います。
生きていれば、様々な問題が出てくるものだと思いますし、その中には、ほんの少し物事のとらえ方を変えただけでも解決に向かうようなものもあるように思います。
自分は整体師として活動していますが、「カウンセリングにもなっているんじゃないか。」と思う事がありますので、整体をしていて感じたことをご紹介します。
かなりプライベートな事を話すお客さん
自分自身の体調不良の事などは、なかなか他人には話をしないものではないかと思います。
精神的な事になるとなおさらです。
しかし、整体をするときは、そういった事をすべて話されるわけですから、あまり他人には言わないようなプライベートな事なども出てきます。
例えば、おばあさんからよく聞かれるのが、ご主人からひどい扱いを受けたという、恨みつらみなどがあります。
昔は男尊女卑ですし、特に、九州の人は、九州男児と言われるくらいですから、男の人の方が立場が強かったのだろうと思います。
そのことを考えれば、今は女性にとっては本当にいい世の中になってきたのではと思います。
こういった話が出ても、自分としては、整体しながら黙って聞いているか、「大変でしたね。」と共感するしかないわけですが、ただ、話す側としては、それによってストレスを発散していたりするのではと思います。
特に女性の場合は、単に共感してほしいだけであり、それだけでストレス発散になっているとのこと。
そう考えれば、整体師も立派にカウンセリングをしていると言えるかもしれません。
カウンセリングを重視するために心の癒しにもなっている?
もちろん、整体師が皆、心の癒しになっているとは言えないとは思います。
自分自身は、体の不調の原因、どこを施術すればいいかなどを詳しく把握するために、かなり詳細にカウンセリングを行います。
そうしなければ、不調の本当の原因が見えてこないと思うからです。
例えば、腰痛の場合は、重い物を持ったり、姿勢が悪かったり、デスクワークで運動を全くしなかったりといった具合に、生活習慣も注意する部分がある事もありますし、精神的な症状が出ている場合は、家庭環境などにも、何らかの問題を抱えている可能性もあると考えられるからです。
もちろん、最も重要なのは、整体的に見て、悪くなっている箇所を施術していく事ですが、それ以外の要因を見る事も本当の意味で問題を解決するには必要ではないかと思います。
そのように、一人一人の体の不調や抱えている問題を、根本的に解決しようとした結果、自ずとカウンセリングを重視する、現在のスタイルになり、整体と同時に心の癒しをしている事につながっているのではと思います。
カウンセリングだけではダメ
「カウンセリングって、もっと身近になっていいのでは?」、「カウンセリングって大事です。」といった話をしつつ、一方で、カウンセリングを重視しすぎるのもどうなんだろうという話もしておきます。
過敏性腸症候群という、腹痛、便秘、下痢などの症状に悩まされる、恐らく自律神経の乱れが原因だろうと言われている病気があるのですが、その病気の方の例です。
どこに行っても治らなかったため、カウンセリングを受けたという事ですが、その時に、「なぜ、それをしようとするのですか?すべきだからですか?したいからですか?」といった質問があり、「すべきだからしているが、だからと言って、自分はそれに対して、ストレスだと思っていない。」などという、問答を繰り返していたとのこと。
カウンセラーの方が言いたいことは分からなくもないですが、このようなカウンセリングを繰り返して、結局、2年経っても治らずに、中断してしまったとのこと。
自律神経の乱れは、現在は、首こりが原因と言われています。
つまり、肉体に問題があったとして、それを改善せずに、話だけしてもらちが明かないという事になります。
心も体も癒せる整体
健全な精神は健全な身体に宿るという言葉をご存知でしょうか?
体が健康なら、精神的にも晴れやかになると思いますが、もっと言えば、精神は、脳にかなりの影響を受けているという事実もあります。
例えば、セロトニンという物質をご存知でしょうか?
脳内神経伝達物質と言われていますが、これが少なくなると、イライラしたり、不安になったり、幸福感を感じられなくなったりします。
そして、これは食事から摂取する栄養素からできます。
その栄養素は血液が運びます。
整体によって血流が改善して、セロトニンが増加するとしたら、精神面も癒すことができると言えます。
そう考えれば、きちんとした技術力のある整体師は、優秀なカウンセラーであるとも言えるのではと思います。