整体院と整骨院の違い~技術的な観点から

 

整体をする様子

整体院と整骨院の違いを理解されていない方がいらっしゃると思いますので、解説してみようと思います。

しかし、資格の違いなどは、他サイトで説明されていると思いますので、ここでは、主に、技術力の違いに焦点を当てて説明してみたいと思います。

 

資格の違いについて

額縁

まず初めに、念のため説明しておくと、整骨院を開業するには、柔道整復師という国家資格が必要になります。

整体院の場合は、国家資格は必要なく、民間資格(民間団体、個人が与える資格)で開業できる事になります。

例えば、整体の実際の施術を通して結果を出し、自信がついてきたために、世に広めたいと考えた整体師が、講習会を開いて、ある一定の段階まで知識や技術が身についた受講生に資格を出すという具合になります。

「国家資格」、「民間資格」という言葉のみを単純に比較した場合は、「国家資格」の方が、信頼がおけそうな印象を受けるかもしれませんが、必ずしもそうとは言えないようです。

 

国家資格を取得しても技術力は身につかない?

試験を受ける様子

整骨院にある程度通われた事のある人はご存じと思いますが、国家資格があるからと言って、技術力があるというわけではありません。

確かに、ある程度、体の構造や仕組みなどについての学習や、その習熟度を確認するための試験はありますが、高い技術力が身についていなければ取得できないというわけではないためです。

これは、どのような領域の資格でも同様かもしれません。

結局のところ、高い技術力というものは、実際にお客さんを施術する中で、身についていくものではないでしょうか?

しかし、だからと言って、学校で習った、国語、数学、社会、理科、英語が、社会に出ると全く役に立たないかと言えば、そういうわけではなく、基礎の基礎になっているように、国家資格も、基礎の基礎くらいにはなっているとは思います。

ただ、ほとんどの知識は使わないものですよね。

 

整骨院=治らない?

初心者マークを持つ整体師

では、整骨院は治らないと思われている方がいらっしゃると思いますが、実際は、どうなのでしょうか?

実は、これも先入観であり、必ずしも、整骨院だからと言って、技術力がないというわけではありません。

確かに、国家資格を取得した時点では、高い技術は身についていないと思いますが、それから、熱心に勉強して、技術を高めていった場合はどうでしょうか?

整骨院の先生でも、高い技術を持つ施術家になると思います。

つまりは、単に、技術力という観点から言えば、「整骨院」とか、「整体院」という名称などには、特に意味はないという事になります。

 

整体院=治る?

ガッツポーズする整体師

では、逆に、整体院であれば、高い技術を持っていると言えるでしょうか?

まず、押さえておきたいのは、整体とは、明確の定義はありませんが、「手などを使って、筋肉や骨格のバランスを整える事で、自然治癒力を高める技術の総称」といった表現ができると思います。

つまり、「総称」ですから、一口に整体と言っても、多種多様な技術があるという事になります。

そうであれば、どのような整体法を身につけるかで、技術力も、全く異なってくるという事が分かるのではないかと思います。

 

「整骨院=治らない」、「整体院=治る」ではない

説明する整体師

これまでの話から、整骨院だから技術がないというわけでも、整体院だから技術が高いというわけでもないという事が理解できたのではないかと思います。

整体院も、どのような技術を身につけているか、どのくらい熱心に技術を磨いているかで、技術の高さはピンキリですし、整骨院でも、熱心に勉強会に参加して技術を研鑽している方は、高い技術力を身につけていたりします。

言うまでもなく、高い技術を身につけたいと思い、高い志を持って勉強を続けている事が、高い技術を身につけるための最低限の必要条件になると思います。

「では、高い技術力を持っている先生はどのくらいいるのか?」と思われるかもしれませんが、率直に言って、あまりいないと思います。

整体院、整骨院などは、ある程度、固定客がついてしまえば、特に、高い技術を身につける事は、必須ではなくなってしまうためです。

つまり、リピーターになってくれれば、技術などなくとも、継続して通ってもらう事が出来る事になります。

むしろ、技術が高まり、元気にしてしまった方が、お客さんは来なくなるから、経営的には不利になります。

このパラドックスが理解出るでしょうか?

しかし、そうは言っても、お客さんとしては、元気になりたいという気持ちがあるでしょうから、きちんとした、整体師、施術家を探したいものですね。