膝に痛みがある人の中には、整形外科で、「正座は膝に悪いからしない方が良い。なるべく椅子に座った方がいい。」といった事を言われる方もいらっしゃるようですが、実際のところはどうなのでしょうか?
整体の施術を通して分かってきた本当のところをお伝えします。
整体的には正座は膝痛に良い
きちんとした技術のある整体師の中には、正座は膝痛に良いという人がいます。
病院で言われた事と真逆の事になってしまいますが、なぜだか分かりますか?
筋肉のストレッチになる
膝痛の主な原因は何だと思いますか?
膝まわりの筋肉の緊張だと考えられていますが、特に、太ももの前側にある、大腿四頭筋の緊張が原因として大きいと考えられます。
なぜかと言えば、論より証拠で、膝まわりの筋肉を緩める事で、膝痛が改善される事が多いからです。
また、腱や靭帯なども原因になる事もあります。
膝痛になる人は、これらが固まってしまう事で、痛みが出ているわけです。
そして、膝が固まるにつれて、曲がりにくくなってきます。
そのため、膝を曲げる事で、これらの膝痛の原因になっている筋肉などのストレッチになると考えられるわけです。
そう考えれば、正座は、膝痛に良いという事が言えないでしょうか?
足の筋肉の強化
膝痛の原因として、膝まわりの筋肉の緊張が大きいと書きましたが、では、なぜ筋肉が緊張したままになると思われるでしょうか?
原因の一つとして、自分の筋力以上の負荷をかける事が挙げられます。
では、そのような事にならないためには、どうすれば良いかと言えば、日ごろから、しっかりと足に負荷をかけておくことだと思われないでしょうか?
正座から立ち上がる場合を考えると、足に負荷を与える事になりますから、生活の中で、適度な筋肉トレーニングをしている事になるのではないかと思います。
逆に、椅子にした場合はどうでしょうか?
椅子から立ち上がるためには、それほど足の筋力を使う事もありませんから、足の筋肉を衰えていくのではと考えられます。
このように考えれば、適度な筋肉をつける上でも正座は膝痛に良いと言えるのではと思います。
膝まわりの筋肉の血流を促進する
膝の曲げ伸ばしは、筋肉を緊張させたり、緩めたりという事につながりますから、血流を促進する事に繋がると考えられます。
筋肉が緊張したまま戻らなくなるのは、筋肉内に老廃物が蓄積する事が原因です。
血流が良ければ、老廃物も蓄積する事はないと考えられますから、筋肉の緊張の予防につながり、膝痛には良いと考えられると思います。
自力で立ち上がれないお年寄り
以前、90代のお年寄りが来られていましたが、その方は、布団など、平らなところから、自力で立ち上がる事が出来ず、立ち上がるのに、家族の介助が必要な状態でした。
なぜだか分かるでしょうか?
膝の曲げ伸ばしをしなかったために、膝が固まってしまい、曲がらなくなったために、起き上がる時にバランスが取れなくなってしまったわけです。
そのため、現在は、平らなところに座ったりすることはなく、座る時は、椅子を使用しているとのことです。
このような状態では、どんどん体も弱ってしまい、病気になり、衰えていくのも無理はないと思われないでしょうか?
体を動かす事は、健康を維持する上で基本中の基本です。
人間が健康でいられるのは、自然治癒力のおかげです。
そのためには、いつまでも、体に適度な負荷をかけ続けなければならないと思います。
正座できないときは無理にしない
ここまでは、正座は膝痛には良い、健康に良いという話をさせていただきましたが、一つ注意しなければならないことがあります。
膝痛がある程度悪化し、正座をすると痛みがある場合は、無理にするのは良くないという事です。
また、さらに悪化すると、膝が曲がらず、正座が出来なくなってしまう事があります。
このような場合も、無理して正座をするのは良くないかもしれません。
膝痛がある程度悪化すれば、きちんとした技術のある整体師に見てもらう事が必要になると思います。
そして、いったん、膝の痛みを楽にして、膝が曲がるようになった状態で、正座をすることが必要かなと思います。
再び正座ができるようになれば、正座を習慣化し、膝痛の予防につなげ、いつまでも自分で動ける状態を維持することにつながるのではと思います。
膝痛は具体的にどのように対応すれば良いかをお知りになりたい方は、膝痛のまとめ記事をご覧ください。