「食べることが怖い」「周りの目が気になって仕方ない」…。過度なストレスから心と体のバランスを崩し、食との関係に深く悩んでいた一人の女性が、当院の施術を通して、自分らしさと笑顔を取り戻していく過程をご紹介します。
誰にも言えず、一人で抱え込んでいるその苦しみ。この記事が、あなたにとって希望の光となるかもしれません。
18歳 女性 学生 福岡県春日市在住
ご来院時のお悩み
食のコントロールが難しい、周りの目が過度に気になる、強い不安感、頭痛、めまい、目の疲れ、腹痛、冷え性、むくみ、不眠、イライラ、焦燥感、倦怠感、無気力、憂うつ感、そして慢性的な首・肩のこり。
これまでの経緯
高校の部活動でのプレッシャーや人間関係のストレスがきっかけでした。うまくいかないストレスを発散するためにお菓子を食べるものの、体重が増えることへの恐怖心を持つ、という悪循環に。同時期に、ストレスから円形脱毛症も経験され、そこから周りの視線が過度に気になるようになっていったそうです。
新型コロナウイルスの影響による休校期間中、勉強が手につかなくなると、食べることへの罪悪感が一層強まり、体重を減らすために過度な運動をすることもあったと話してくださいました。
2020年6月には、周りの目が気になる感覚がさらに強まり、精神的に落ち着かず、常に焦っているような状態に。同年7月、集中できず食べ物のことばかり考えてしまうご自身の状態から、「これは普通ではない」と、食生活の乱れをはっきりと自覚されたそうです。
ご自身で状況を改善しようと、食事の管理やストレッチなどを試みましたが、状態は少しずつ深刻化。学校から帰るバスの中では勉強も手につかず、家に帰ると何も手につかない「無気力状態」に。友人からの食事の誘いも断るようになり、どんどん孤立感を深めていきました。
受験や周囲の目に対する強い不安感、ズキズキする頭痛やめまい、胃の痛み、そして「次の日、学校だ」と思うと朝方まで眠れない夜。数多くの心身の不調を抱え、学校を休みがちになった2020年8月、ついにご両親に自身の状況を打ち明け、当院に来院されました。
施術による心身の変化
初回の施術から
初回は、これまでの経緯をじっくりとお聞きし、体全体の緊張状態をくまなくチェック。特に、ストレスの影響が顕著に表れていた首周りの筋肉と筋膜の緊張を、丁寧に緩めることから始めました。
1回目の施術後、ご本人から「過食の衝動が少し落ち着いた」との報告がありましたが、学校というストレス環境に戻ると、まだコントロールが難しい状態でした。
心身の不調に変化を感じ始めた頃(施術2回目〜)
2回目の施術後、「めまいが出なかった」とのご報告がありました。(ご本人の話では、この頃から、めまいを感じることがなくなったそうです。)
そして5回目の施術に来られた際、9月上旬から精神的な負担から休みがちだった学校に毎日通えるように。また、久しぶりに朝までぐっすり眠れたと、嬉しそうに話してくださいました。(不眠に悩む夜が減り、朝まで眠れる日が増えたと喜んでおられました。)
自信を取り戻していく過程(施術7回目〜)
7回目の施術の頃には、「たとえ食べ過ぎてしまっても、自分を責めずにポジティブに捉えられるようになってきた」「無気力な感じがなくなった」と、精神的な強さが戻ってきました。
そして8回目、9回目と回を重ねるごとに、過食の衝動はほとんどなくなり、イライラや焦燥感、倦怠感といった不快な感覚も感じない日が増えていきました。
最終的な変化(施術10回目)
あれほど苦しんでいた「周りの視線」が、ほとんど気にならなくなったとのこと。そして、漠然とした不安感に襲われることもなくなり、その他すべての心身の不調が、日常生活で意識しないレベルまで安定しました。
※ 体の状態の変化には個人差があり、効果を保証するものではありません。
解説:なぜ心と食のバランスを取り戻せたのか
食に関するお悩みは、一般的に精神的なアプローチが主とされています。しかし、この症例は、「体の状態」が、いかに心や食生活に大きな影響を与えているかを、非常によく示しています。
当院では、彼女が抱えていた数々の不調の根本原因は、主に、過度なストレスが引き起こした「首の極度の筋緊張と筋膜の癒着」にあると捉えました。この物理的な緊張が、体の司令塔である「自律神経」の働きを大きく乱し、その結果として、食欲のコントロール不全、気分の落ち込み、不安感、不眠、めまいなど、様々な症状として現れていたのです。
今回の施術では、あくまで整体の専門領域である「体の緊張を、正しい知識と技術で徹底的に緩めること」に集中しました。体の緊張が解き放たれるにつれて、乱れていた自律神経の働きが正常化し、ご本人が本来持っている**「心と体のバランスを自分で取り戻す力」**が、再び目覚めたのです。
これは、心の問題を心だけで解決しようとするのではなく、**「体へのアプローチを通じて、心をも健やかに導く」**という、整体の大きな可能性を示す、非常に価値のある記録だと考えています。