仕事ではパソコンを使用するのが当たり前になっていますし、スマートフォンも広い世代に普及してきたために、目の不調に悩まされる人も増えてきたのではないかと思います。
目に不調が現れると、目が悪くなったと考える方が多いと思いますが、実際は、自律神経の問題であることが良くあるようです。
なぜそのような事が言えるのでしょうか?
どう対応すればいいのでしょうか?
自律神経と目の働きの関係
自律神経は脳からの命令を体中の器官に伝えていますが、目の機能もコントロールしています。
交感神経と副交感神経からなり、これらがバランス良く働く事で、健康が維持されているわけですが、分かりやすいように、表にまとめてみます。
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交感神経が優位 |
副交感神経が優位 |
涙腺 |
涙が出ない |
涙が出る |
瞳孔 |
散大 |
縮小 |
水晶体 |
薄くなる |
厚くなる |
下図は目の構造です。
目が乾燥してくれば、副交感神経が優位になり、涙が出て、目を潤そうとします。
明るいところに出れば、副交感神経が優位になって瞳孔が縮小し、光が入りすぎないようにします。
近くを見る時は、副交感神経が優位になる事で、水晶体を厚くしてピントを合わせようとするわけです。
では、自律神経の働きが狂ってしまえばどうなるでしょうか?
目が乾燥してきても、交感神経が優位のままになり、涙の量が増えない事になり、ドライアイの原因になると考えられると思います。
明るいところに行っても、瞳孔が縮小せずに、まぶしく感じてしまうと思われます。
近くを見ようとしても、ピントが合わずに、目がかすんだりすることもあると考えられると思います。
このように考えれば、自律神経失調症によって、様々な目の不調が出てくるという事が分かると思います。
ドライアイは治らない?
目が乾燥してきたために、眼科に行くと、「一度ドライアイになったら治らないよ。」と言われた人がいましたが、本当に治らないものでしょうか?
ドライアイは、目が乾燥するわけですから、水分を補ってやればいいと考えられますから、西洋医学的には、目薬を差せばよいという発想になると思います。
しかし、先ほどの説明から分かると思いますが、自律神経の問題であるとするなら、まさに、対症療法(症状を抑えるだけで、根本的に治すものではない。)であるという事が分かると思います。
では、どうすれば良いのでしょうか?
自律神経失調症は首こりで改善?
現在は、自律神経失調症は、首こりを解消する事で改善されると言われています。
エビデンスは、東京脳神経センター理事長・脳神経外科医の松井孝嘉氏の書籍をご参考にして頂けたらと思います。
首こりとはすなわち、首の筋肉の緊張ですから、そう考えれば、なぜ自律神経失調症に整体なのかの理由が分かると思います。
しかし、体はつながっていますから、首こりの解消だけで良いという事にはなりません。
あくまでも、メインは首こりの解消ということになります。
対症療法だけでいい?
ドライアイくらい、死ぬわけでもないから、目薬を差しておけばいいだろうと思われる方もいるかもしれませんが、人間の体というのは、非常によくできたものだと思います。
涙自体も、単に目を潤すという働きだけをしているという事ではないようです。
涙には栄養分が含まれ、それによって、目に栄養を送ったり、感染を防いだりするなど、目の健康にとって重要な役割を果たしているとのこと。
つまり、涙が適度に分泌される状態を作っておくことは、目の健康を維持する上で非常に重要であるという事が言えるのではないかと思います。
自律神経を整えておくことは自然治癒力を高く保つ事
逆に言えば、ドライアイがあるという事は、自律神経が乱れているという事が言えると思います。
自律神経というのは、全身に命令を送っていますから、乱れれば、体中に様々な不調が出る可能性があります。
また、血流や体温調節も自律神経が関与しています。
つまり、自律神経を整えておくことは、自然治癒力を高い状態に維持するという事であるという事が言えると思います。
そう考えれば、自律神経を整えておく事は、健康を維持する上で、非常に重要という事が言えると思います。
目の不調を、自律神経が乱れたことの、一つの尺度ととらえて、自律神経を整える機会にするのも良いかもしれません。
自律神経失調症について、より詳しくお知りになりたい方は、自律神経失調症のまとめ記事をご覧ください。